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お知らせ

日本の伝統行事 お盆について

2016年07月19日

今年ももうすぐお盆の時期がやってきます。お墓参りのご予定はありますか?

「ご先祖様の霊が返ってくる」と言われるお盆ですが、私の実家は浄土真宗で、亡くなった人は全てが仏になるもの、そもそも「霊」という考え方がない宗派です。それならなぜわざわざお墓参りに行き、お経をあげて頂く必要があるのだろうと疑問に感じたことがありました。そんなことをいうならそもそもお墓自体の存在はどうなるのだろうと。とはいえ季節の風物詩、年中行事、毎年の習慣だからと軽くとらえるのもいかがなものかと。そんなことを思い出して先日探してみたところ、真宗大谷派 一心寺様のHPに次のような文章が掲載されていました。

日本の「霊」信仰と盂蘭盆会

日本では古来から死者の霊がこの世に戻ってくると信じられてきた時期が7月半ばの盂蘭盆会時期と重なって、先祖の霊を家に迎えてお供えや読経など供養をしてあの世へ帰すという行事として定着したようです。こうしていま、お盆といえば、お盆になったら迎え火を炊いて亡き人の霊を迎え、霊が乗って来るというキュウリの馬やナスの牛を作り、精霊棚にお供えをしてお坊さんにお経を上げてもらい霊をなぐさめ、お盆が開けたら送り火を炊いて霊を送り出す…。(今はここまでやるお家は珍しいかもしれませんが)

浄土真宗のお盆のむかえ方

浄土真宗の寺やご門徒の家でもお盆のお参りは行われます。しかしその教えからから言えば、上のような事は必要としません。
仏教では「無我」という言葉の通り、人が死んだ後も霊魂のようなものが残って何かに生まれ変わったり、この世やあの世をフラフラするという事はいいません。

私たちはそれぞれの因縁によってたまたまこの「私」という命を生きているだけですが、
どうしてもこの「自分」を確かなものだと思い込むためにさまざまな苦悩が起こるのだと、仏教は教えています。
私達が亡くなった人の「霊」を云々するのも、「自分」への執着の延長といえるかもしれません。
それもまた私達が大きな迷いの中にいるという事ではないでしょうか。
浄土真宗のお盆はそんな大きな迷いの中に生きる私たちが、亡くなった方を供養するという話ではありません。
他の法要と同様に、縁のある亡くなった人を通して私達が仏法を聞き、
その迷っている「自分」を教えてもらう仏事です。お念仏もお浄土もそのために伝えられてきたのです。

お盆がきたらお家のお内仏(仏壇)や仏具をキレイにお掃除してください。
(お内仏はお浄土を私たちに表現されたものです。精霊棚の代わりではありません)
迎え火も送り火も野菜の乗り物もいりません。そしてそのお内仏を前にお参りをしてください。
お盆のお参りでお坊さんを呼んだ時には一緒にお聖教を読んでその意味や仏教の話を聞いてください。
またご縁のあるお寺の盂蘭盆会では法話も行われることでしょう。その場へ足を運んで皆で一緒にお念仏をして、法話を聞くことも大切です。
お盆とは仏事とはいいながら、その土地の先祖供養や様々な信仰と混ざり合い先祖供養からその他無縁の霊も祀って家や共同体の安定を願う行事まで含みながら今に伝わっています。発生の元自体そもそも仏事ではなかったのかもしれません。

それでも私たちには、お盆は仏法が説かれそれを聞くことができる大切な機会の一つです。お盆を迷いの中にいる事も気づかずにただの年中行事として過ごしていくか、自分の中の迷いを迷いだと見つめる大事な機縁とするかは、私たちそれぞれにかかっているのではないでしょうか。
(真宗大谷派 一心寺様HPより)

小難しいこととしてとらえずとも、お盆やお墓参りそのものは亡くなった方を思い出すきっかけとなります。そこから日頃あまり意識することのない仏教や宗派について考える機会としてとらえてもいいのかもしれません。お盆もお墓参りも、そもそもお墓というものも、亡くなった方のためだけではなく、残された私たちが今までのご先祖に感謝し、これからを生きていくためのよすがとなっているのではないでしょうか。遠いご先祖様があったおかげで、自分は今ここで、伴侶や子供、友人たちと楽しく幸福に過ごせていると考えてみてはいかがでしょうか。それについて「ありがとう」という気持ちを込めて手を合わせることがあっても良いように思います。

お墓参りに行かれたら、まずは本堂をお参りした後、お墓の周囲と墓石をお掃除してください。(お墓のお掃除参照)手を合わせた後は蝋燭と線香の灯を消してから帰りましょう。気になる汚れや傷み等が見られた場合はどんなことでもご相談ください。

梅雨が明ければ更にどんどん暑くなると思います。水分補給などを心がけ、熱中症にはくれぐれもご注意ください。夏本番を前に、どうぞお体ご自愛下さいね。

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